Case Study
導入事例
営業管理資料(日報)のWeb化による情報収集の効率アップ
使い慣れたエクセルに基幹DBのデータを落とし込み再利用
欲しい帳票がすぐに手に入る環境構築を達成
問題点と課題
営業資料の管理、販売実績の把握は営業職にとって重要な意味を持つ。
同社ウオッチ事業部の営業部門においては、基幹業務DBからのデータを参照するために、VBAにてアプリケーションを作成し、参照する仕組みを利用していたが、個々のPCにODBCの設定を行う必要があり利用者への敷居が非常に高いものであった。
また、エクセルファイルをファイル共有などで複数人で参照するのはPCのスキルレベルにバラツキがある状況では排他制御に問題が発生し、ユーザフレンドリーではない。
欲しいデータが簡単な操作で直ぐに手にはいるという状況からはほど遠く、業務に必要なシステムを構築するとなると、そのシステムの費用対効果が問われる為、すぐさまシステムを開発するというわけにはいかない。
基幹業務がSAP R/3で行われているため、きちんとした開発ステップを踏むという社内ルールになっており、システム開発経験のないユーザが簡単にシステムを構築するというわけにはいかなかった。
短期間で、簡単に必要な帳票を作成したり、DBの内容をエクセルに落とし込む為の仕組みをWebを使って共有できれば、これらの問題は解決できる。このような用件を満たす開発ツール、ソフトウェアはあるのだろうか?
この問題の解決に挑戦したのは同社ウオッチ事業部の滝口氏だ。
「先ずは、データベースのデータをExcelに、簡単に、情報を絞り込みながら落とせることが重要であった」と滝口氏は語る。
◇課題「売上予実集計表システム」
滝口 氏
入社時は、CAMアプリの開発に従事。10年ほど前から業務系システム開発 に携わり、現在は、ユーザ部門でのデータ集計作業の傍ら、各種集計ツール の開発を行っている。
解決方法
問題を解決するソフトウェアはないものかと、滝口氏は、同社マイクロメカシステム推進担当の遠藤氏に相談を持ちかけた。すると、XCuteというソフトウェアが、目的に合致するのではないかという情報を得ることができた。同社マイクロメカシステム推進担当の伍堂氏は、受注情報を検索するシステムをXCuteで構築しており、すでにXCute稼働実績があるではないか。
営業管理資料のWeb化にXCuteを利用することは、開発効率、目的達成に大きなメリットがあると滝口氏は判断した。
こうして売上予実集計表システムの開発に着手したわけだが、開発期間は仕様書の作成を含め、わずか2ヶ月間(もちろん通常業務をこなしつつ)で開発が完了した。
当初の目標であった、Web化による共有の問題の解決(ファイル共有の排除)、データベースより検索したデータをエクセルに貼り込みダウンロードする目的の達成、そして、VBAで作成した検索システムの排除を達成した。
売上予実集計表システムは順調に稼働を開始し、さらに販売実績の照会システムの開発に着手。こちらのシステムもグラフィカルで必要な情報を簡単に集計でき、簡単に結果をエクセルファイルとしてダウンロードできるシステムとなった。
「一つのシステムを作ってしまえば、それをひな形とし単純にコピーといった感覚で、複数のシステムを稼働させられることが魅力」と滝口氏は語る。
◇実働システム画面
本システムは、伍堂氏開発による。
売上予実集計表システムの次に、スピード構築された。
伍堂氏と同じく、入社時は技術系アプリ開発に従事。CADやPDM関連 システムの開発を行っていた。最近は、Web活用や生産管理システム 立案など、幅広く活動している。
遠藤 氏
伍堂 氏
やはり入社時は、技術系アプリ開発に従事。CADやPDM関連システムの 開発を現在も継続しながら、業務系アプリ開発もこなす。サーバ管理も1人で こなしているため、「サーバ故障が発生するとそれだけシステム開発が遅れてしまい、XCuteのようなツールは大変重宝しております。」と二足ならぬ三足のわらじを 履く生活が続いている。
システム化の成果とこれから
基幹システムにあるデータを気軽に集計、検索することはシステムの作成も含めて非常に敷居が高い。
SIIにおいては、事業部基幹業務システムにあるデータベースのデータを検索用サーバーに対して、閲覧専用データとして落とし込み、それを各システムから検索利用する形態をとっている。
これにより、基幹システムに影響を与えることなく、ユーザが自由にデータを利用することができるわけだ。しかもそのデータは、XCuteによりユーザが使い慣れたエクセルに帳票として利用できるので、データの再利用も簡単である。
XCuteを使うことにより、安全性は確保したまま、欲しい帳票を簡単に、素早く手にいれられるようになった。VBAで開発をしていたならば、このようなメリットは得られなかったであろう。
システム構成図システムを完全に作り込むのではなく、使い慣れたエクセルにデータを落とすことにより、後の集計分析はユーザに任せることができる。 これにより、システム構築コストの大幅削減、構築スピードの大幅向上が達成できることは、この事例より知ることができる。
本事例はシステム構築の適材適所とコストメリットを得ることができた好例ではないだろうか。
導入企業様紹介
セイコーインスツル株式会社
会社名 | セイコーインスツル株式会社 |
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本社 | 千葉県千葉市美浜区中瀬1-8 電話:043-211-1111(代表) |
代表取締役社長 | 茶山 幸彦(ちゃやま ゆきひこ) |
設立 | 1937年(昭和12年)9月7日 |
事業内容 | 【マイクロメカ】ウオッチ、ウオッチムーブメント、超音波モータ、HDD部品など 【ネットワークコンポーネント】液晶表示モジュール、CMOS IC、マイクロ電池、水晶振動子など 【ソリューション】レストランオーダーシステム、電子辞書、ネットワーク通信機器、SDカード型データ通信機器、携帯電話用コンテンツサービスなど 【その他】分析・計測機器、小型サーマルプリンタ、大型インクジェットプリンタなど |
資本金 | 47.5億円 |
決算期 | 2月(年1回) |
従業員 | 3,200名(単独) 7,900名(連結) |