Case Study
導入事例
事故事例検索の効率化と一元管理
写真も含めた事故事例の登録や権限による制御等、紙管理で難しい情報共有システムの構築と、16年を超える長期運用に成功
問題点と課題
建設業において、安全管理は重要な業務である。事故の事例を蓄積、管理し、その情報を共有することは安全に対する意識の向上につながる重要な管理業務であるといえる。同社において2006年以前は、事故事例をExcelや紙のファイルにおいて各担当部門が保存、管理していた。 その為、情報共有ができておらず、せっかくの蓄積情報をフルに活用できていない状況であった。
この情報を担当を超えて広く共有できれば、過去に発生した類似した事故(再発事故)が度々発生してしまっている現在の状況からの脱却および安全意識の向上につながるなど大きなメリットがある。
同社山平氏は、情報の共有をWebを利用して行うこととし、それを簡単かつスピーディに実現する方法を模索した。
Excelで管理されていた帳票が多数あったこと。また情報を閲覧する者にとって、もともとのExcel帳票のフォーマットから画面を作ることにより、システム画面が帳票と大きな差がない方が混乱が少ないのではないかと考えた。 また、開発効率を重視していたため、ノンプログラミングであることも条件の一つであった。 そこでExcelをそのまま使い、ノンプログラミングであるツールとしてXCuteが候補としてあがった。
XCuteについて要件を満たしているか試用をおこなった山平氏であるが、その開発効率とマイクロラボ社のサポートに驚いたという。ある程度の試用により、やりたいことが問題なく実現できることを確認し、XCuteの採用が決定した。
「XCuteは、データをExcel帳票形式で出力できること、Excelがゆえに活用の場が広く取れること。質問に対してすぐに返事が返ってくるマイクロラボのサポートが魅力でした」と山平氏は語る。
情報システム室次長 山平氏
Excel感覚でシステムを構築できるのがXcuteの魅力だと思います。
Excelでインプットし、Excelにアウトプットするというところも使い易さにつながってます。
Xcuteは日頃使い慣れたExcelを活用してデータベースを構築できるという点で、構築する側、利用する側の両者に有効なツールと思います。
今後も活用していきたいと思っています。
解決方法
こうして山平氏はXCuteを使い既存帳票のWebシステム化に着手した。当初は画像ファイルを扱わない、文字情報のみのシンプルなシステムの構築を目指した。また以下の3項目を開発のポイントとした。(既存のExcelを使うことにより、システム教育のコストを下げること。
ユーザが親しんだレイアウトからの乖離をなくすことでシステムへの抵抗をなくす。)
2)システムにはログインが必要なものとし、事例の閲覧、編集、削除の権限付けを行うようにすること。
(Excel単体ではできなかったことをシステム化により実現する。)
3)Excelに蓄積されていた文字情報はXCuteを使い、DBに事前登録を行い、システム稼働開始当初から過去の事例検索ができるようにすること。
(システムが稼働してからWeb画面を通じて登録することも可能であるが、
XCuteはExcelとDBのマッピングが簡単にできるため、その機能を用いて事前に用意する。)
初期データ投入含めて約1か月程度でシステム化が完了した。 すぐにシステムを稼働させ、ユーザからの意見を画面に反映する作業を行ったが、XCuteがExcelベースであったため、これらの対応はすぐにできたと山平氏は語る。
次第にユーザの要求は大きくなっていき、システム稼働より10年後となる2016年には多数の写真や関連ファイルなども登録可能に改修され現在に至る。
注目すべきポイントとして、1つのシステムを2006年から現在まで改修しながら17年稼働していることである。 システム構築に難しい言語を使うなどすると、その技術を習得した人しかメンテナンスできない、担当が変わらずとも構築手法を忘れてしまうという問題が発生する。 XCuteによるExcelベースのシステムであったから、この長期間の稼働(改修しながら)が可能であったと想像に難くない。また、同社のシステム構築の手法として難しくしすぎない、見通しをよくすることが、大いにメンテナンス性に影響したと考えられる。
我が社は、JR九州のグループ会社で、営業線に近接した工事が多く、事故防止が最重要課題です。
当時、わが社の事故の傾向として、「またか事故」が多く発生していました。
こうした中、Xcuteシステムによる事故事例検索システムの構築により、約20年分の事故情報を、施工計画、着手前会議、新規入場者教育や朝礼ミーティング時の資料として活用出来るようになりました。同種工事の事故情報を検索し、事故防止資料として活用することにより、事故防止に絶対必要なシステムとなっています。
安全環境本部長 太田氏
安全部担当部長 椎野氏
事故事例検索システムにおいては、誰もが使い易いものとなっていますが、今後の展開としまして、現場社員がスマホからアクセスできるよう改善し、類似事故等が素早く検索できるようになると、更に安全作業に繋がり、事故防止となると考えております。
構築システム
16年以上の稼働実績を持つ「事故事例検索システム」を紹介いたします。ログイン画面
メニュー画面
一覧画面(その1)
一覧画面(その2)
原因・事故状況一覧画面
年度別一覧画面
一覧画面印刷帳票
詳細画面
詳細画面印刷帳票
事故事例登録画面
システム化の成果とこれから
システム構築によって、同社は以下のような成果を得ることが出来た。
・現場事務所の朝礼時に、類似工事の事故事例を作業員に伝え、注意喚起を行うことが効率的にできている。
・長年継続してこのシステムを使用することで、安全に対する意識の向上につながっている。
<XCuteによる効果>
・データの利活用という点で、Webでの検索性に加え、Excelにデータを抽出し、活用できるということ。
・既存のExcel帳票とさほどレイアウトが変わらないため親しみやすく、システムの利用に抵抗がなかったこと。
同社の事例は、ユーザのExcel帳票などの情報のWeb化が簡単に行えれば、よりよい環境につながるという、XCuteによるシステム構築のメリットを強く感じる好例ではないだろうか。
導入企業様紹介
九鉄工業株式会社
「当社は安全を全てに優先します」という認識のもと、お客様や地域の皆様に信頼される「安全風土づくり」をすすめています。
「当社は安全を全てに優先します」を合言葉に、お客様や地域の皆様に信頼される「安全風土づくり」をすすめています。
作業所及び保線所では、特定元方事業者としての統括安全衛生管理体制を基本に、九鉄KYK(危険予知活動)の実践、安全工程打合せや災害事故防止協議会を開催しています。また、法令遵守に係る必要な指導等は、「計画(P)・実施(D)・評価(C)・改善(A)」のサイクルに基づき毎日全力で取り組んでいます。
本社及び支店では、幹部による工事現場の安全パトロールを計画的に行い、統括管理の実施状況を点検し必要な改善指導を行っています。また、本社には工事現場を専門に巡視点検する「安全指導員」を配置して、的確な安全指導を行う体制としています。
安全施工のためには関係する協力会社の理解と協力が不可欠です。「九鉄安全協議会」の活動を中心に、一体となって各種講習会や研修会、事故防止キャンペーン等の施策的な取り組みを展開し、すべての従事員の安全意識と安全知識のレベルアップを図っています。
社名 | 九鉄工業株式会社(Olympus Corporation) |
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代表者名 | 代表取締役社長 古賀 徹志 |
設立 | 1942年9月1日 |
北九州本店 | 〒800-0007 北九州市門司区小森江3丁目12番10号 |
福岡本社 | 〒812-0016 福岡市博多区博多駅南6丁目3番1号 |
資本金 | 2億1,600万円 |
社員数 | 459人(2022年7月現在) |
営業種目 | 総合建設業 |
法人番号 | 3290801005224 |