Case Study
導入事例
最初の1歩は、プロの手によるシステム構築
システムインテグレータとの共同作業による理想的なシステムの構築
エンドユーザ自身がメンテナンス、カスタマイズ可能な柔軟なシステムの構築を達成
問題点と課題
物流業務において、荷受証明書処理、発送伝票処理は、顧客に対する運賃請求を行うことだけにとどまらず、配達状況がどうであるのか知るために重要な業務である。
日本通運株式会社 仙台支店において、これらの特定顧客向けの処理は1カ所集中型業務となっており、処理の負荷、配達状況の把握などの負荷が高い状況であった。
- 荷受けを行い、荷受証明書を作成
- 各作業店にて荷受証明書のとりまとめ
- とりまとめた荷受証明書を支店に送付
- 荷受証明書を、支店担当者がデータベースへ登録
- データベースに登録した荷受証明書から、料金明細、作業店別実績などの帳票を作成し、
運賃請求を顧客に対して行う
このことから理解できるように、荷受証明書のデータベースエントリーは支店担当者が行っており、非常に負荷が高い作業となっている。
顧客Bに対する現状の流れは、以下の通りだ
- ホストより日々の発送チェックリスト各営業店にFAX送信
- 各営業店は、ドライバーズ端末に発送データを入力
- 訂正、追加、削除があった場合は、それをまとめてホスト側へメンテナンスをかける
- データはホスト側にて集計し、運賃請求を顧客に対して行う
この処理も、1カ所集中型の処理であり、ホスト側担当者の負荷が高い処理となっている。
これらの業務を分散作業、すなわち、各作業店、各営業店に任せられる部分は任せ、なおかつ、各作業店、各営業店に対してメリットが出る方法。 それはすなわち、Webによるこれらの業務の管理が解決の糸口となる。
各作業店、各営業店において、データの訂正、追加、削除を円滑に行うことも出来、なおかつ実績、状況の把握もリアルタイムに行うことができるという大きなメリットが生まれる。
このことから、これら特定顧客向け処理に関するWeb化が急務となった。
解決方法
これらの問題を解決するため、同社では複数のシステム開発会社数社に対して見積を依頼したそうだ。
この業務効率化は、期間的にも非常に厳しいうえに、(作業実質2ヶ月程度でレビューまで)顧客Aに対するシステムと顧客Bに対する2つのシステムを作らねばならない。
帰ってきた見積は、どれも似たり寄ったりで「Access、Javaで対応するというのが殆どであった」と日本通運 小畑氏は語る。
これらで開発を依頼した場合、納期もさることながら、工数も非常にかかる。しかしながら、ここで他とは違う斬新な提案をしてきたシステムインテグレータがあった。それは、「東北NSソリューションズ株式会社」である。同社のシステムエンジニアは以前よりXCuteの評価を行っており、その開発効率の高さと業務適用能力に対しての知識を持っていた。その知識を元にしたXCuteによる大胆な納期、工数を提示したそうだ。
「Javaのみで開発した場合と比較し、XCuteは、納期および工数を2/3以下にすることができます。」と東北NSソリューションズ 鈴木氏は語る。
日本通運 小畑氏
情報システム開発部門にてシステム開発運用に関わり、営業職へ。今回のプロジェクトの稼働がスムーズに進んだのは、氏の明確なビジョンをシステムインテグレータに伝えることができたからではないだろうか。
営業職でありシステム開発の経験はないが、東北NSソリューションズ(株)の構築したシステムよりXCuteを学び、今回のシステムの仕様変更等の作業を行っている。
「システム開発をゼロからスタートするのは不安があります。最初はシステムインテグレータにある程度の物を作ってもらい、そこからXCuteのコツを得ることができました。今では簡単なWebアプリケーションは自分で作れてしまいます」とのことだ。
日本通運 鈴木氏
東北NSソリューションズ
鈴木氏
顧客からの要求にマッチした提案を行い、双方にとってメリットがある仕事を進めた。顧客第一という考え方が伝わる人柄であった。
構築システム
XCuteによるシステム構築が決定し、東北NSソリューションズによる作業が進められることとなった。
どのようなシステムにしたいのかといったイメージはすでに日本通運は持っており、発注仕様も固まっていた。「システムに対する具体的イメージの資料がしっかりとしていたため、見積も正確に出ました」と東北NSソリューションズ 鈴木氏は語る。週に1~2度程度の打ち合わせを数回おこなったのち、システムは完成した。
実際に作成されたシステムは以下のような処理の流れとなり、効率アップした。
◇顧客A向けシステム
実働システム画面
- 荷受けを行い、荷受証明書を作成
- 各作業店にて荷受証明書をWeb経由でデータベースに入力
- データベースに登録した荷受証明書から、料金明細、作業店別実績などの帳票を作成する。
荷受証明の入力、帳票作成を各作業店で行うことができるようになった。
いままでの1カ所集中は、負荷の高い作業であったが、それが軽減し、かつ、各作業店で帳票処理まで行えるメリットを得ることとなった。
◇顧客B向けシステム
実働システム画面
- 日々の発送チェックリストを各営業店がWeb参照
- 各営業店は、ドライバーズ端末に発送データを入力
- 訂正、追加、削除があった場合は、各営業店がWebをつかってメンテナンス
1カ所集中処理ではなくなったため、負荷が軽減した。また即時性が高く、発送伝票の処理が滞ることが無くなるメリットが得られた。
この2つのシステムは、わずか2ヶ月で構築された。現在、運用開始から1年半ほど経過しているが、トラブルもなく安定稼働しているとのことだ。 工数も、他業者の2/3以下であり、「非常に満足度の高いシステムを得ることができた」と日本通運 小畑氏は語る。
システム化の成果とこれから
XCuteは簡単であり、明快なソフトウェアであるが、最初の1歩をエンドユーザの手で進めるのは、本当にシステム構築ができるのであろうかという不安がつきまとう。今回の事例のように、システムリリースまで2ヶ月程度という短期間となると、なおさらだ。
XCuteは早く、安く構築できるだけではなく、構築後のシステムのメンテナンス性が高いことが、日本通運 鈴木氏の話から分かる。
NSソリューションズは、その提案やデモにより日本通運の不安を払拭し、日本通運の希望通りのシステムを構築した。 日本通運は安く、メンテナンス性の高いシステムを獲得するという、大きな成功例であると言える。
ここで、日本通運 鈴木氏が自らの手で構築した「営業報告システム」を紹介する。
鈴木氏は、東北NSソリューションズが開発した前述の2つのシステムよりXCuteによる開発を学び、本システムを作成した。顧客情報の登録、修正、検索等の必須機能はもちろんのこと、帳票作成機能ももち、業務にフィットしたシステムを自らの手で構築している。
XCute初期導入時はシステムインテグレータの力を借り、最終的には自らの手でシステム構築を行ったわけだ。プロの手、アマの手、対象とする業務により使い分けていることが非常によくわかる。
業務効率化、コストダウン、メンテナンス性の確保、すべての観点から、一番ベストと思われる方法を選択しシステムを構築する。同社の事例はシステム開発、運用の根本からを考えさせられる興味深い物ではないだろうか。
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