Case Study
導入事例
「帳票を探す・入手する手間」「帳票に入力する手間」を最小化
建設現場で作成する300を超える社内帳票を一元的に集約し、基幹システムと連携することで、帳票作成に関する業務効率化に成功
問題点と課題
建設現場では、設計や技術に関するだけではなく安全や品質・環境などに関する帳票を日々作成する必要がある。
- 土木:308帳票
- 建築:481帳票
そのため建設現場の社員は、最新版の帳票を各関連部署のサイトごとから入手しなければならず、「欲しい帳票が見付けられない」「必要な帳票を容易に入手できない」「更新が周知されず、旧版を使用してしまう(後に最新版で作成し直す)」どの問題があった。
さらに、全ての帳票には「建設現場の名称」「工事の期間」「工事価格」などの共通した項目があり、帳票を作成する度にれらの項目を都度入力しなければならなかった。
これらの問題を解決するには、システム構築による自動化が必須となると考え検討を開始した。
当初、システムの仕様設計のみ行い、実際のシステム構築はSIerに任せようと考えていたが、メンテナンス性の向上などの理由により内製する方針となった。
各帳票類がエクセルで作られていることもあり、エクセルと親和性が高いノンプログラミングツールを内製実現の為選定することにした。
「Web」「エクセル」この両方に対応できるツールを探し、3製品ほど評価をおこなったが、どの製品も要件を満たすものではなかった。 最後に評価を行ったXCuteは、これらの条件も満たし、かつ、VBAを使うことができることから採用を決定した。 特にVBAが使えることは、システムの実現性から重要なポイントであった。

建設監理部 澤氏
プロジェクト統括
建設現場における業務の効率化を迅速に推進するにあたり、ノンプログラミングでシステム化できるという XCute が持つ強みは非常に有効でした。
次のステップへ向けて、また他の業務の効率化に向けて、XCute を活用していきたいと考
えます。
現場職員が書類作成に費やす時間の効率化のため Xcute を活用する事で実現できたと実感しています。今後の目標として Xcute を使った帳票の Web 化を目指し、現場業務のさらなる効率化を図りたい。

DX戦略部 森氏
要件定義、社内標準フォルダ構成設計、
運用、システムテスト検証

建設監理部 長谷川氏
統括補佐、社内普及用 HP 作成、
システム運用、ユーザサポート
XCute による WEB 入力化とデータベース化によって、書類を探す、入力する手間を大きく削減することができるようになりました。書類は現場職員が使い慣れている Excel 形式で出力することができるので、現場でも受け入れやすく好評です。今後も XCute を有効に活用し、建設現場の DX 化を目指していきます。
UI は XCute で効率良く開発し、細かな制御は VBA を駆使し、XCute の Excel との親和性を最大限に活用して、求められた要件をほぼ満たすシステムを構築出来たかと思います。
また、外部システムやクラウドストレージとの連携機能も実装し、局所的ながらも DX を実現出来ました。
今後の目標は、XCute による帳票 WEB 化で脱 Excel 帳票を目指せればと思っています。

DX戦略部 齋藤氏
開発ツール選定、システム設計、開発、
テスト
解決方法
こうしてXCuteを採用し、「現場帳票作成システム」の開発が開始された。開発ポイントは以下の2点である。
・『ダウンロード』ボタンにて最新版の帳票をダウンロードできるようにする
②共通する項目は1回の入力で済ませる
・共通する項目を入力した後、入力データを全帳票に自動的に反映させる
XCuteを使った開発は、実験的な試作が簡単にできるため、納得の行くテンプレートの作成を繰り返し、要件を固めることができた。 また、こまかな制御はVBAにて行うことが出来たため、最終的にすべての要件を満たすことができた。
こうして、利用者に対して大幅な業務オペレーションに変更が生じない状態のシステムを構築できた。
システムの流れとしては、以下のようになる。
- 共通する項目(工事に関する情報)のデータを基幹システムからXCuteへバッチ送信し、XCuteがDBに仮登録。
- 利用者が仮登録された共通する項目を確認し本登録 ⇒ 全帳票へ反映 ⇒ 選択した帳票がクラウドストレージの所定フォルダに反映
- 利用者は、クラウドストレージに格納された帳票を開き、共通する項目以外の項目を入力することで帳票を作成・完成させることができる。
クラウドストレージ上に社内標準フォルダを構築して帳票の所在を明確にし、「現場帳票作成システム」と合わせて利用することで、①②のポイントを満たし業務効率化を実現している。

システムを構築したあと、そのシステムの使い方や教育をどのように行うのかが問題となる。 そこで「現場帳票作成システム」の教宣ページを社内ポータルサイトに公開した。 システムの使い方を理解しやすくするため、担当ごとのマニュアルを用意するなど工夫を凝らしている。

マニュアルは動画も用意されおり、動画の長さも見やすい時間に調整されている。 この動画は完成度が高く、本システムに対する操作質問は、ほとんど出ていないとのことだ。

構築システム
今回作成された「現場帳票作成システム」を紹介します。
業務内容に直結する画面もあるため、ここではその一部を紹介します。
メニュー画面
ログインユーザの所属によって、「建築」または「土木」のメニューが表示されます。両メニューともに、各機能への遷移がわかりやすくなるよう、整理されています。
共通項目登録:現場選択リスト画面
-
ログインアカウント毎に設定された権限により以下のとおりリスト表示が制御されます。
- システム管理者の場合:全現場をリストに表示
- 支店管理者の場合:支店管轄の現場のみをリストに表示
- 各現場の一般ユーザの場合:所属現場のみをリストに表示
共通項目登録画面
マスタ編集機能:現場選択リスト画面
-
ログインアカウント毎に設定された権限により以下のとおりリスト表示が制御されます。
- システム管理者の場合:全現場をリストに表示
- 支店管理者の場合:支店管轄の現場のみをリストに表示
現場名を選択すると該当する現場の「ユーザマスタ(現場マスタ)」画面に遷移します。
ユーザマスタ(現場マスタ)画面
帳票ダウンロード(帳票共通項目編集バッチ処理)画面
「ダウンロード」ボタン押下により以下の処理が実行されます。
- 各種帳票(Excel形式)に対して、事前にDBに登録された共通項目を編集します。
- 利用形態に応じて、サーバまたはクラウドストレージ上の既定フォルダに帳票を格納します。
帳票ダウンロード - 処理完了画面
帳票ダウンロード - 選択出力画面
帳票ダウンロード - 待機指示画面

出力対象帳票は土木/建築共に、300 ~ 500帳票に及ぶため、バッチ実行中は排他制御を行っています。
その為、このメッセージによりユーザに待機を促します。
フォルダ検索・表示機能

クラウドストレージにログインし、帳票の検索や編集を行います。
システム化の成果とこれから
今回のシステム構築によって、同社は以下のような成果を得ることが出来た。
-
<システムによる効果>
- 最新版の帳票を探し出す作業を排除することができた。
- 各帳票の共通する項目の入力回数:481(308)回⇒1回に削減することができた。
- 帳票に改訂に合わせて迅速な対応が社内で可能
- 開発コストと運用コストの削減
<XCuteによる効果>
同社はExcelで作成されている社内帳票のすべてを「WEB入力+DB化」し、エクセルを無くすことが最終目標としているそうだ。
建設現場で作成する社内帳票だけではなく、ExcelやWordを使用していることで共有化が迅速に進まない全社的な書類などへ視野を広げ、業務の効率化に貢献できるシステム開発にXCuteを活用していく考えだ。
同社の事例は、システムが本来あるべき「業務効率化」と「コスト削減」を成功させた好例ではないだろうか。

導入企業様紹介

社名 | 株式会社 安藤・間(呼称:安藤ハザマ) 英文名 HAZAMA ANDO CORPORATION |
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本社 | 東京都港区東新橋一丁目9番1号 〒105-7360 03-3575-6001(代表) |
事業内容 |
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資本金 | 17,006,123,275円(2022年3月末日現在) |
決算期 | 3月末日 |
従業員数 | 3,341人(2022年4月1日現在) |