問題点と課題

Excelシートをメールで送信し、各拠点等のデータ交換を行うことは、Webシステム導入前の業務形態として珍しくない手法である。しかしながらメール送信忘れ等の問題が発生したり、メール送信後データの修正が行いたくなるなどの問 題が発生しやすい。こういった事が頻繁に起きると、データの整合性を保つ事が難しくなってくる。またリアルタイム性の低さも問題となる。
これらを解決する為にWebシステムの導入を検討したとしても、自社の業務に合わせた形のシステムを構築することは、難しいと考え、頓挫してしまうことが多いのではないだろうか。
YSCグループにおいても先の手法と同じく、Excelの表をメールでやり取りすることで情報を共有していた。
一般的に問題になることと同じく、データの整合性を保ちづらい、リアルタイム性に欠けることが問題となった。問題の解決を図るには、Web化することが最も効果的である。
同社酒巻氏は、Webでデータを共有するのみではなく、共有したデータを集計するなどのBI的な活用も含めてシステム化したいと考えており、手間をかけずスピーディにシステムを構築することができるツールをがないか検討する事とした。
まずはYSCグループで展開する「PC教室の生徒管理」をシステム化する事とした。　ツールの模索に関しては、システム構築の為の機能を満たしていること。そして、システムが稼働することにより溜まった、データの活用がしやすい物。さらには開発速度が早い物という選定基準とした。
各ツールを検討した結果、XCuteを採用することとなったが、その理由を酒巻氏はこう語る 。
「いままでExcelで処理をしていたので、Excelをそのまま共有できる形が望ましたった。XCuteはExcelをそのままWeb画面にできること。またExcelならばメンテナンス性も高いということで採用することとした」

解決方法

YSCグループシステムの構築と稼働

開発プラットフォームにXCuteを採用することが決定し、「教室管理システム」の構築が開始された。同社野崎氏が本システムを担当し、開発が進められた。
野崎氏は、業務とExcelともに精通しているため、スムースにシステムの構築が進んでいった。
約1か月程度で「教室管理システム」が完成し稼働を開始した。本システムがスムースに構築できたため、既存業務を次々とシステム化していった。「収支管理」、「スケジュール管理」、「名刺管理」等である。
構築したシステムの中には「オークション管理」というシステムもある。これはPC教室に通う生徒向けに、オークション代行を行うための管理をシステム化したものである。「欲しいシステムをすぐに形にできるのは、XCuteの開発性の高さがあったからこそだと思います。」と野崎氏は語る。

システム化の成果とこれから

Excelベースのデータ共有をWeb化することにより、リアルタイム性、検索性、修正の容易さを実現することができた。
また１つのシステムが稼働することにより、既存の業務においてWebベースで管理した方が効率的な物が見えてきた。複数の業務をWebシステム化し、大幅な効率アップとなったことが大きな成果となっている。
「教室管理システム」という生徒管理のシステムの稼働をきっかけとし、複数の業務システムの稼働に成功した同社であるが、欲しいシステムを、とにかく素早く稼働させることにより、そのシステム構築のメリットを大きく引き出している。　システムの業務に対する柔軟な対応をおこなった興味深い事例ではないだろうか。