Case Study
導入事例
店舗・本部間データ収集業務の効率化とサブシステム構築
店舗・本部間データ収集業務において使い慣れたExcelをそのまま使い、ユーザに配慮したシステムを構築。
レジシステムの拡張なども、改修費用をかけずにスピーディにシステム構築。
問題点と課題
店舗・本部間におけるデータ収集業務において、日々の業務の変化に追従する形のシステムを構築することは難しく、業務に合わせた形のExcel帳票を用いて収集処理を行うことは非常に多く、また問題となりやすい部分だ。
プログラミング言語などで作りこんだシステムを構築してしまうと小回りが利かず、またそのシステムの使用方法の周知・教育などに手間がかかるなど課題も多い。しかしながらシステムを構築しないと効率、可用性などの面で問題が出てくる。
ブックオフコーポレーションにおいては、店舗・本部間においてのデータ収集処理にExcelを用いている業務があり、課題、問題があった。
店舗・本部間においてメールにてExcelのやり取りをしており、使っているExcel帳票のバージョンの違い(古いフォーマットをそのまま店舗に使われてしまう)、メールによるやり取りでは、収集状況が掴みづらいなどの問題が発生していた。また業務の変化に合わせて、その都度Excelのマクロを修正するなどしていた。 業務の整合性が取りづらい状況であったことは想像に難くない。
同社高橋氏は、この問題を解決するソリューションの検討を始めるにあたり、まず下記のような目的・コンセプトを定め検討を進めることとした。
店舗・本部間でデータを各自ローカルにて保持・収集する方法から、Webの仕組を利用することによって帳票の一元管理を実現して業務改善をしていく
<目的>
効率化 | Excelのバージョン違いやフォーマット改ざんをなくし、探す・確認する工数を削減 |
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可用性向上 | 店舗PCのローカルデータ保持からサーバーでの集約管理に |
ガバナンス強化 | 提出帳票においてワークフロー化が難しい物も仕組化し対応していく |
<コンセプト>
導入影響度少 | 現状の帳票業務と同等の操作感を実現し、スムーズな導入を行う |
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運用コスト少 | メンテナンスの工数などの運用コストが極力かからないようにする |
本コンセプトをもとに、「帳票一元化プロジェクト」が開始された。
脱Excelとしてシステム化の検討を始めたが、現場の混乱等を考え、Excelという慣れたインターフェイスを生かして問題を解決する方法を摸索することとした。
高橋氏は、まず現状の課題を整理した。下表がそれである。
<現状の課題>
数値の不整合 | フォーマットが決まっているExcelであっても ・ロックが解除され、予期しないセルの挿入、数式の混入が発生する ・シート名の変更や予期しないシートの挿入が行われる等がしばしば発生し、集計を行う際の不整合の要因となっている各種入力項目に関して、記入・未記入のチェックが難しく、必須項目の記入漏れ等があっても気づき難い |
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運用の煩雑さ | 月次や年次など、定期的に運用しているExcelで、入力項目の追加やフォーマット変更があった場合、店舗側でどれが最新か分からなくなり、旧Excelで運用を続けてしまう ⇒ データの再記入など、店舗にとっても負担になる 物によっては、エリア・上位エリア(統括エリア)・本部と、複数回の集計が必要となる場合もあり、その都度チェック作業が必要 |
リスク回避 | データの保存が各店舗PC ⇒ データの散逸が起こる可能性がある。 また、修正等が行われた場合、店舗←→本部間で同期が取れなくなる可能性がある |
下図は、集計や管理データの更新に関する問題点である。
これらの問題点を解決できるソリューションとして、複数の製品を比較することとした。
現場(店舗)に混乱を招かず、メンテナンス性、コスト等を評価基準として、製品の比較を行うこととなった。
下表のとおりの評価結果となり、「XCute」の採用が決定した。
「XCuteの良さは、開発の自由度(Webでも使え、Excelもそのままつかえる。またタブレット等にも対応している)なので、今後のタブレット等の利用も考慮しXCuteを採用することとした。」と高橋氏は語る
解決方法
こうしてXCuteの採用を決定し、システム構築に着手する事となった。本システムは、高橋氏が「ログイン」、「メニュー」、「その他の表」など、一通りのベースとなる画面を構築した。 同社磯野氏は、高橋氏が構築した画面や帳票等を参照し、多数の帳票に展開・開発していくという方法にてシステム開発を進めていった。
「マイクロラボのページにサンプルが多数あったため、開発においてつまづく部分は殆どなかった」と磯野氏は語る。また高橋氏は「Excelベースの開発なので、プログラムの知識は不要だった。完成した部分をユーザにレビュー、修正の繰り返しで、どんどん完成度の高いシステムへしていくことができた」と語る。
システムの構築は1か月で完了した。(XCuteの学習込で)プログラミングでの作成となると、6か月を超えるボリュームの案件ではないかとの事だ。
この「帳票一元化プロジェクト」は順調にシステム構築が進み、稼働を始めたわけだが、その開発状況を間近で見ていた同社伊垣氏は、ひょっとすると自分が抱えているプロジェクトもXCuteにて開発、改善できるのではないかと考えた。
伊垣氏が検討していた別システムとは、「TRiプロジェクト」(トータルリユースインフラストラクチャーという意味を込めたレジステム)である。 本レジシステムは既に稼働しているシステムであるが、システム拡張する趣旨でXCuteを使えないかと検討した。
現状のレジシステムにおいては補足情報を入れることができない事が問題となっていた。その為、業務の変化に合わせた補足情報は手入力にて別管理されていた。この手入力による情報の一元化を図るため、本レジステムの改修を検討していた。
しかしながら、現レジシステムを修正することは。コスト面や今後の改修等を考慮すると融通の利くものではないと、伊垣氏は考えていた。高橋氏が開発に使ってるXCuteを見て、システム拡張を柔軟に行う事にXCuteは適していると判断し、現レジシステムは改修をせず、補足情報である「店舗小口集計」をXCuteにて構築することとした。
すでにXCuteによる開発の実績があった事が幸いし、「店舗小口集計」もスムースに構築できた。
「XCuteによる開発を見て、これは使えるとひらめいた。そのひらめきはシステムを構築時に確信へと変わった」と伊垣氏は語る。
今まで使用していたExcelのフォーマットがほぼそのまま使用できたので新たにシステムに合わせたフォーマットを考えなく済み、開発に専念できました。また開発で困ったときにサポートに相談できましたのでスケジュール通りに開発することができました。
今後はBIツールとしてやタブレットでの使用についてなどとXcuteを使用した構想が色々とありますので構築していきたいです。
高橋 氏
磯野 氏
私は、店舗から異動してきた為、プログラム作りの経験が無いのですが、XCuteのホームページにアップされている動画を参考にしながら最初は苦戦しましたが無事作成していくことが出来ました。
完成したツールもユーザの作りたいイメージのExcelをそのままシステム化できる為、短時間の打ち合わせのみでユーザと作成者のイメージの認識のズレが無く作れました。
私はレジシステムの開発に携わっており、日々レジに対する要望が多く寄せられています。
しかし、簡単な仕様変更や機能追加などでも、費用と時間を要してしまい、要望に応えることができませんでした。
そんな状況の中でXCuteの導入を知り、要望や課題の解決の新たな選択肢として検討したところ、今まで断念してきた案件についても対応していくことが可能ではないかと感じています。
XCuteが課題解決の救世主として活躍してくれることを期待しています!
伊垣 氏
構築システム
BOGポータル(BookOffGroupポータル)
損益計画、消耗品、備品、仕入れ、戦績、物販、新店リース、入出庫などの統合されたポータルシステムです。
ボリュームが膨大な為、ここでは、高橋氏、磯野氏が構築した「損益計画」及び、伊垣氏が構築した「店舗小口集計」に絞って紹介したいと思います。
ログイン画面
メニュー画面
損益計画メニュー画面
損益計画作成用画面
今まで使っていたExcelをそのままにシステム化しているが、 複数のシートを同時に更新することを前提として作られています。
本画面(シート)を見ると、合計4シートあることがわかります。
1シート、1ブックではなく、複数シート、1ブックとして、 入力者の手間を減らす工夫をしています。
損益計画確定状況画面
店舗小口集計表メニュー画面
店舗小口経費集計表画面
実際に動作をご覧いただけないのが残念ですが、本画面(シート)は、エラーチェック等含めて、入力者に対する細かい配慮がなされています。
Web画面(HTML)ではJavaScriptを作りこまないと難しい部分も、Excelならではの特性を生かし、 ユーザフレンドリな入力画面に仕上がっています。
戦績報告書メニュー
検索など、Web画面のほうが都合が良いものはWeb画面とし、入力や、計算が伴うもの、いままでの業務で使っていたExcelを生かしたいものは、Excelを使った画面とし、その特性を生かして使い分けをしています。
戦績報告書画面
システム化の成果とこれから
既存の課題はすべて解決し、効率的かつ間違いがなくデータ収集、開示等ができるようになった。
特に、既存のExcel帳票をそのまま使った為、各担当者からの評判は上々だ。
押しつけのシステムにならず、今までの操作で業務を行うことができ、担当(店長)にとって負担とならないシステムの構築に成功した。
本来、新しいシステムを導入すると、各担当に新システムの教育が必要となるが、紙ベースの簡単な説明で完了した。これは先の既存のExcel帳票をそのままシステム化した大きなメリットであろう。
以下に、改善イメージを示す。
複雑なフローもサーバによる一貫した一元管理となり、事故が起きにくい仕組みとなっていることが理解できる。
既存の複数のシステムにおいて、ユーザビリティが低い部分があるため、その部分の統制を図っていく事を計画している。
また、新規に作成する業務システムについては、XCuteにて可能な部分はどんどん実装していく。特に、店舗向け情報の提供、発信のシステムに力を入れていく方向である。
レジシステム等においては、改修してコストをかけるのではなく、先に構築した「店舗小口集計」のように、効率的にコストをかけずシステムを提供する予定である。
同社の事例は、利用者からの使いやすさの追及、システム利用の為の教育負荷を減らし、効率的に問題点を解決しながらシステムを構築していくという好例ではないだろうか。
導入企業様紹介
ブックオフコーポレーション株式会社
事業活動を通じての社会への貢献、全従業員への物心両面の幸福の追求
ブックオフグループは、経営理念である『事業活動を通じての社会への貢献』と『全従業員の物心両面の幸福の追求』を掲げ、事業活動を通じて「捨てない人のブックオフ」を広く社会に浸透させ循環型社会のインフラとなること、社会に貢献する多くの人財を育成することが私たちの使命と考えております。
ブックオフグループは、私たちの使命である、捨てない人のインフラをつくるカンパニーとして、事業活動を通じて、環境保全や社会貢献ができる企業を目指します。
「もう私には必要ではなくなったけど、でも捨てるのももったいない」と思われるお客様のために、「安くて品質のよいものが欲しい」と思われるお客様のために、私たちの事業や仕事は意味のあるものでありたいと考えます。もっとリユースということが当たり前になるように、必要としている人のそばにお店があるように、「リユース社会のインフラ」になりたいと私たちは思います。
社名 | ブックオフコーポレーション株式会社 BOOKOFF CORPORATION LIMITED |
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業務内容 | 中古書店「BOOKOFF」の展開と、新規中古業態の開発・運営・加盟店経営指導 |
本社所在地 | 〒252-0344 神奈川県相模原市南区古淵2-14-20 |
電話番号 (代表) | 042-769-1511 |
インターネットホームページ | http://www.bookoff.co.jp/ |
設立 | 1991年8月1日 |
資本金 | 2,564百万円(2012年3月) |
従業員数 (連結) | 1,051名 パートアルバイトスタッフ 9,399名(2013年3月) |
上場市場 | 東京証券取引所市場第一部 <証券コード:3313> |
株主名簿管理人 | 三菱UFJ信託銀行 |
取引銀行 | 三菱UFJ信託銀行 三菱東京UFJ銀行 三井住友銀行 横浜銀行 みずほ銀行 八千代銀行 ほか |
会計監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |