【リリース】XCute向けApache2.4.62 OpenSSL 3.1.6をリリースしました。
【アナウンス】ロードマップを更新しました。

Case Study

導入事例

コープ情報システム株式会社

コープ情報システム株式会社

台帳管理システムのリプレースと業務効率の向上

自らの手でメンテナンスが可能で、自社にフィットしたシステムを構築
利用者からの意見を数多く取り入れ、完成度の高いシステムの構築に成功

問題点と課題

2004年以前、同社は問合せ管理や課題管理などの台帳管理をExcelにて行っていた。Excelによる、これら台帳の管理は排他の問題やファイルの破損、また過去のデータを検索し統計するのは非常に手間がかかる。人手による作業は避けられない状況であった。

同社の台帳管理は、

  • 問合せ台帳
  • 障害台帳
  • 案件別事業管理台帳(案件等)

の基本3台帳を中心に関連する台帳が存在していた。

基本3台帳の考え方についてITILの要素を反映して、

  • インシデント管理台帳
  • 問題管理台帳
  • 変更管理台帳(案件管理、リリース管理)
  • 見積り台帳(変更管理台帳に紐づく)

を構築し、今後、構成管理台帳の構想を進めている。

台帳の種類と、その関係性、また扱うデータの種類から台帳の数(ページ)は決して少なくはなく、管理に多大な労力が掛かっていた。
これらの問題を解決するには台帳管理をWebシステムとすることが一番の近道である。
そこで同社は、Apache+PHP+PostgreSQLによるWebシステムを外注し、稼働させる事により本件を解決した。稼働当初は不満もなくWebベースでの管理のメリットを享受でき、データのダウンロード等を当該システムから行えることにより、同社にて始まったQMS(品質マネジメントシステム)の為の月次資料等が飛躍的に作りやすくなった。
こうしてWebによるシステムのメリットを実感し活用していた同社であったが、組織変更や、その他仕様変更の度に本システムの修正を重ねていた。メンテナンス費用は年間数百万円ほど発生していた。費用のみの問題ではなく、業務に合わせた迅速なシステムの修正を行いたい場合において、外注し作成したシステムでは、それもままならない。
これらの問題を解決する為、同社佐藤氏は上司からの指示で解決方法を模索し始めた。

佐藤 氏

佐藤 氏

Xcuteで台帳管理システムを内作で構築し、過去のインシデントの利用含めた対応が行え、運用部門として最大の財産を活用することが可能になりました。現在も新たな台帳構築を内作で進めていますが、自分たちがイメージした内容を簡易にシステム化するのに適したツールです。これからも必要性に応じて内部業務の効率化に役立てたいと思います。

細かいところの修正や、試しに変更してみるのも容易いので、最終的にかなりユーザーライクな台帳に仕上げることが出来たと思っている。こういうところがXcuteが優れているところだろう。

増田 氏

増田 氏

鈴木 氏

鈴木 氏

私にとって初めてのシステム開発でしたが、ほとんどの構築がExcelのみで可能なため、わりと簡単に完成させられた。VBAを利用しない限りプログラムを書くことが無いので、初めてシステム開発を行うには取り組みやすいツールだと思う。

解決方法

佐藤氏はまず、先の問題を解決する為にはPHPにて構築された仕組みそのものを置き換えることを検討した。

比較検討にあたってまずは要件を定義した。要件は大別して以下の5つである。

業務要件 業務に必要な機能の要件
技術要件 台帳数の制限や、応答時間、利用人数などの要件
セキュリティ要件 主に権限の付与などの要件
拡張要件 最大ユーザ数や、変更の容易さ、扱えるデータ数などの要件
費用 パッケージライセンス費用、保守費用などトータル費用

これらの要件を元に、パッケージ製品、ASP製品の比較検討を行った。
検討は佐藤氏の下、5名にて行われ各々点数を加点していく方法により行われた。対象となった製品は5製品であった。
各製品の評点は5名で評価したが、おおむね評価メンバーの加点数に大きな幅はなかった。その為、評価の精度は高い物と推測される。しかしながら、すべての要件を満たす製品を見つけることができなかった。
「パッケージ製品だとかならずカスタマイズがはいってしまう。費用の面も問題だ」と佐藤氏は語る。この言葉より、パッケージ製品が同社の台帳管理にマッチしなかった事が伺える。

同社増田氏は、「パッケージ製品にこだわらず、簡易な開発ツールに着目するのも良いのではないか」と語り、同社鈴木氏は「道具に使われるのではなく、自分たちの思想でやりたい」と語った。
これらの意見を元に、佐藤氏はパッケージ製品を選定を中止し、開発ツールの選定を行うこととした。開発ツールは「XCute」を含めた2製品に的を絞って行われた。
要件は先の「業務要件」と「技術要件」に絞って行われた。本2製品の評点は大きな差はなく、最終的には評価を担当した増田氏、鈴木氏の意見を元に製品が決定された。
ポイントとなる部分は要件として決められていた部分ではなく、その他の機能、付加サービス等の部分であったという。「カスタマイズの簡易さが、かなり大きな差となった。XCuteはHTMLの世界において自由にJavaScript等も差し込むことができる」と増田氏。
「XCuteは、とりあえず評価版にて、テスト開発できてしまう事が良かった。ドキュメント等がそろっている点も良かった」と鈴木氏。
こうしてXCuteにて開発を行うことに決定した。

既に稼働しているシステムのリプレース+αの機能追加ということもあり、システムの設計はある程度出来ていた為、直ぐにXCuteでの開発に着手できた。
システム構築は、XCuteの学習含め3か月程度の期間で稼働に至った。
XCuteを使ってシステムを作った為、設計の問題点の洗い出しや、追加要件の反映がスムースにできた。急ピッチで作られたシステムであったが、利用者からの本システムへの要望そのものを、本システムで受け付ける事により、こまめに完成度を上げ、システムの完成度が上げることに成功した。
また、画面が大幅に変わるような修正が伴う場合は、古い画面と新しい画面の2つを並列に稼働させる事とし、システムの運用に支障なく新しい画面に移行できるように配慮した設計を行った。

構築システム

今回作成された帳票システムを紹介いたします。

メニュー画面
メニュー画面

台帳の種別毎に、解り易く整理されたメニュー画面です。

インシデント一覧画面
インシデント一覧画面

登録されている台帳を簡単に検索できるよう、良く使う検索条件は上方へ配置してます。
さらに詳細な検索もできるよう画面が構成されています。
「問題管理一覧画面」にも簡単に遷移できるよう工夫されています。
データのエクスポートもサポートされている為、資料づくりに便利です。

インシデント詳細画面
インシデント詳細画面

詳細画面は、親画面から新規ウィンドウがポップアップする形式としています。これにより、検索結果との画面の行き来が発生しない為、スムースに検索結果を参照することが可能です。
ユーザのニーズをくみ取り、このような形式となりました。

問題管理一覧画面
問題管理一覧画面

「インシデント一覧画面」と同様な工夫がなされている画面です。
デザイン、色をはっきりと分ける事により、ユーザがどの台帳を利用しているか視覚的にわかるように工夫されています。

問題管理詳細画面
問題管理詳細画面

「インシデント詳細画面」と同様であるが、統一的な操作性を保ち、ユーザの利便性を考慮しています。

変更管理台帳画面
変更管理台帳画面

「インシデント」「問題管理」と同様に、台帳を管理する画面です。
この画面の特徴は、登録された台帳より見積を作成できることです。

見積の新規作成画面
見積の新規作成画面

本見積は、変更管理台帳と紐づいており、リンクが破綻しないよう設計されています。

抽出条件画面
変更管理台帳画面

各一覧画面において、抽出方法は凝った実装がなされています。本画面は「問題管理一覧画面」における「抽出条件画面」です。必要な項目をチェックすることにより、抽出を行う事が可能となっています。
検索は、利用者により色々な切り口にて行われる物であり、そのニーズを満たした好例です。

システム化の成果とこれから

本システムは事業部内においてバラバラであった業務、台帳を統合した事により業務の効率が著しく向上した。本システムを他の事業部も利用することにより、統合、共通性が大幅に高まった。
また、本システムはデータの蓄積性が良く、5万件を超える台帳を統合するに至った。 この蓄積性の良さは、システムデザインが支配する部分であり、利用者のニーズをくみ取り、バランス良く実装した同社開発メンバーの手腕によるものと考えられる。
XCuteは開発ツールであり、開発者のアイデア、ユーザの意見を形にする道具である。その道具の特性を理解し、ポイントをしっかりと把握していなければ、システムは成立しない。この絶妙なバランスをコントロールしたからこそ、先の導入効果が得られたのではないかと考えられる。

道具としては十分な機能をもっている現状のシステムであるが、XCuteの使いやすさ、利便性を生かし、「構成管理台帳システム」を作成し、各台帳とリンクすべく計画をしている。また、スケジュールなどの可視化も、XCuteにて順次システム化する事も検討しているという。
現状、ExcelNotesにて行っている既存業務等の整理も課題であり、これらのXCuteによるシステム化も模索している。
同社の事例は利用するユーザとその業務を深く把握し、メンテナンス性を高めつつも目的を達成した成功例ではないだろうか

システム化の成果とこれから

導入企業様紹介

コープ情報システム株式会社

コープ情報システム株式会社

コープ情報システム

当社は日本生協連のIT部門を担う会社です。
日本生協連をはじめ、全国生協のシステムを手がけています。

名称 コープ情報システム株式会社
設立 1996年10月21日
資本金 5000万円
役員 代表取締役社長 鈴木 剛
専務取締役 大西 誠
取締役 稲橋 邦彦 (日本生協連 常務執行役員 事業支援・システム担当)
取締役 狩野 洋幸
取締役 宮沢 裕之
取締役 津村 隆行
取締役 岡部 昭彦 (㈱シーエックスカーゴ取締役)
監査役 大野 正行 (日本生協連  経営管理担当)
監査役 柳田 朗浩(日本生協連 総合マネジメント本部 本部長)
株主 日本生活協同組合連合会(日本生協連)
主な取引先 日本生活協同組合連合会(日本生協連)
日本コープ共済生活協同組合連合会
株式会社シーエックスカーゴ
生活協同組合ユーコープ
コープデリ生活協同組合連合会
生活協同組合連合会コープ九州事業連合
全国の各事業連合、各生協
事業内容 コンピュータプログラムの開発及び保守
コンピュータシステムの監視及び運用
情報ネットワークシステムの構築
コンピュータによる情報処理サービス
ヘルプデスク及び顧客サポート業務
インターネットによる業務サービス
情報機器・ソフトウエアーの販売 ・電気通信工事

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