Case Study
導入事例
基幹システムデータの公開と収集
システム担当者、営業担当者、双方の手間をWeb化により解決
データ公開から収集までWebを使ったシステムを構築し効率化を達成
問題点と課題
基幹システムにあるデータを取得し、レポートを作成するなどの作業は、一般的によく行われる作業である。例えば、営業担当者が売り上げや仕入れ等のレポートを作成したいとする。しかしデータは基幹系のシステムにあり、このデータを取得するためには情報システム部門にデータの抽出条件等を指定して、依頼する事になるという運用であった場合、やり取りの時間的ロスや手間の多さなど問題も多い。仮に、簡単にユーザに対して基幹系システムのDBの操作を許したとしよう。 そういった場合、セキュリティの配慮、ユーザ端末の設定など、気を配らなければならない部分は多岐に渡る。
有隣堂においては、売り上げ、仕入れ、経費、などのデータのリクエストを営業部門より受け付け、情報システム部門において出力を行なっていた。
データ抽出条件も細かい事が多く、「期間、担当者、顧客コード等」にてデータを絞込み、体裁をととのえ、データ依頼者にCSV形式として提供していた。 この流れは前述の問題の通り、営業担当者においても情報システム部門においても負担であり、時間的なロスも発生しがちであった。またデータのリクエストは1回だけで済まないことも多く、営業担当者が他に必要なデータがあった場合、情報システム部門内の別の担当者に再度データのリクエストを依頼する必要も発生するなど、効率的ではない事があった。
この問題を解決すべく、同社千葉氏は解決方法を模索していた。千葉氏はWebで帳票やデータを取得できるようにする事が、本件の解決の一番の近道であると考えた。
こうして見つけたのがXCute、軽技Web、dbSheetClientの3製品だ。Excelを生かした製品を選定という考えについて両氏はこう語る。
「Excelで開発できることが大きなポイントで、ASPみたいな言語系ではないところが条件であった。」と千葉氏は語り、「ASP等での開発も検討したが、アイデア等を形とするときに効率的ではなかった」と小泉氏は語った。
候補となった3製品を評価していった同社であるが、3製品とも同じ特性を持った製品ではなく、現状に一番マッチするのがXCuteではないかと判断したそうだ。Excelを活用できるというポイントは各々の製品において違いはないが、利用者側は純粋なWebアプリとして使う事ができ、作り込みがExcelとXCuteの2つで構成されているため、後任の担当があとから来ても引継ぎがしやすいのではないかという点に注目された。
こうして小泉氏は、XCuteの評価を行った。開発手法を示した動画も用意されており、これならば簡単にできるという感触を得たという。
導入製品をXCuteに絞り評価検討を行っていくうちに、当初問題となっていたデータの公開だけではなく、データのエントリーにも使いやすいのではではないかと考えた。 また操作者によって、ログイン権限を持たせ、切り分けるようにする目的があったが、いわゆる完全なパッケージ製品のような固定的なログイン権限ではなく、ちょっとした作り込みを行うだけで、自社にフィットするログイン権限をもたせることができるという事がわかった。 当初問題になった点の解決、さらに検討範囲には含まれていなかったがデータエントリーなど他の技術的応用が利く点などからXCuteの導入が決定した。
時間とコストの関係から、外部委託せずなるべく社内で開発したいという同社の想いが実現できそうな事も、確認できたという。
解決方法
こうしてシステムの開発が開始されたわけだが、製品評価期間、学習期間、開発期間等、実務の空いた時間に作業を進め、実質4か月程度で稼働に至った。
「言語による開発と違い、ツールに慣れる部分がパズルのようで面白かった。知恵の輪を解くようなイメージで、面白いように成果物が出来上がっていった」と小泉氏は語る。
「マイクロラボに開発中フリーコールで何度もお世話になったが、毎回丁寧な対応で助かった」と千葉氏は語る。
既存のExcelファイルのレイアウト等を参考にし、システムの開発を進めていった。画面の遷移等もユーザに混乱のないよう十分に配慮された。
また、本来の開発手法であれば、画面詳細の設計書等を興す事が多いが、Excelで書いた画面がそのままWebアプリになるXCuteの特性を生かし、画面詳細設計等を兼ねた形で、開発をすすめていくことができた。このあたりも開発の効率化に大きな影響を与えている。
ユーザからの評価は「要望が直ぐに反映され、よりユーザフレンドリなシステムとなった」という。Excelベースで作成できるXCuteならではの評価であろう。
Webでデータ表示の要望案件が今も数件来ています。Xcuteを利用したシステム作成は、まだ始まったばかりの所で、 これから展開していこう、という状況です。画面表示を確認しながら作成を進められる所が良いです。 作成中にどう定義すれば良い?と戸惑う事がときどき発生します。その都度問い合わせすると、いともあっさり回答していただけて とても助かります。
小泉 氏
千葉 氏
XCuteでのアプリ開発によって、自分のExcelレベルもアップした気がします。
これからもフリーコールでのフォローをよろしくお願い致します! 最初は、電話で質問するのは時間をとらせてしまい、ご迷惑なのではと、少し躊躇し、ユーザーフォーラムのXCute掲示板でスレッドを探したりしましたが マイクロラボさんに「電話して下さい。その方が早いです。」と背中を押され 電話をかけることにためらいが無くなりました(笑)」
構築システム
商品別売上目標 ログイン画面
商品別売上目標 メニュー画面
商品別売上目標 ダウンロード
ダウンロードしたExcelファイルに、四半期ごとの売り上げ目標を入力できるようになっています。
本Excelファイルはデータを入力したあと、アップロードすることにより、入力値がDBに反映できる仕組みとなっています。
商品別売上目標 アップロード
商品別売上目標 確認画面
仕入伝票検索画面
仕入伝票検索画面
仕入伝票詳細
システム化の成果とこれから
こうしてXCuteによる開発を進めていった同社であるが、導入後以下のような効果があったという。
①Webアプリの言語ソフト(例えばASP.NETなど)を知らない担当者でもWeb表示の仕組みを簡単に開発できるようになった。
②Webアプリ言語の習得をせずに作成することができたので開発期間が短く済むようになった。
③ExcelシートとXCute本体の定義でWeb表示の仕組みが実現できるので、開発担当者ではない人でも定義内容を調べられる点が良い。担当者への引継ぎが比較的容易である。
④データベースはMS-Accessの他、MySQLなども使用できるので大量のデータ処理の実現ができた。
⑤画面レイアウトはExcelシートで作成するわけだが、Web画面を見たユーザから「Excelシートとは思えないほど綺麗に作成されている」との好評を頂いた。
⑥DB操作やSQLの初歩的な学習だけで成果物を作成できた。
システムの統合、これは、バラバラの言語で作成されたシステム等をXCuteに統合することにより、メンテナンス性の向上(知識の共有)を高めるべく検討しており、システム整理の共通的なプラットフォームとしてXCuteでの開発を進めていきたいと考えている。
また、情報システム部門に異動になる人に対しても、XCuteをベースとした開発を推進していくよう検討している。これは前述のシステムの統合、共通的なプラットフォーム的な考え方のみならず、引継ぎのしやすさから考えられているものと思われる。
同社の事例は、Webシステムを簡単に、かつ、自社の要件にフィットする形で実現し、さらにはユーザから好評を頂き、XCute開発者はユーザからの要望を即時に形にでき手間もかからないというXCuteとWebアプリの特性を生かした好例ではないだろうか。
導入企業様紹介
株式会社有隣堂
経営方針
- 「有隣」の精神にもとづき、文化、教育に関する商品の販売を通じて地域社会に貢献する。
- 会社永遠の発展と、従業員の福祉向上のため経営の効率化に努力する。
- 大専門店の誇りを堅持し、最高水準の仕事を目指して絶えざる研究、努力を行なう。
- 「有隣」の精神にもとづき、文化、教育に関する商品の販売を通じて地域社会に貢献する。
- 会社永遠の発展と、従業員の福祉向上のため経営の効率化に努力する。
- 大専門店の誇りを堅持し、最高水準の仕事を目指して絶えざる研究、努力を行なう。
商号 | 株式会社 有隣堂 |
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本社所在地 | 横浜市中区伊勢佐木町1丁目4番地1 |
代表者 | 代表取締役 松信 裕 |
資本金 | 2億6千4百万円(授権資本5億円) |
売上高 | 506億円(平成22年9月~同23年8月) |
創業年月日 | 明治42年12月13日 |
現行組織となった年月 | 昭和28年6月11日 |
営業種目 | 書籍 / 雑誌 / 洋書 / 教科書 / 地図 / 事務用品 / 学用品 / 文房具 / OA機器 / コンピュータ及びそのソフト開発 / スチール家具 / 教材 / 楽器 / 美術品 / 運動具 / 印章 / コピー印刷 / 製本 / 出版 / 家具装飾及び室内設備の設計並びに請負 / 家庭用電気製品 / 医療機器 / 医療器具 / 介護機器 / 日用品雑貨 / 煙草 / 海水熱帯魚レンタル / 音楽教室の運営 / カルチャーセンターの運営 / 輸出入業 / ギャラリー経営 / 労働者派遣事業 / その他これに対する付随する品目の販売 |