Case Study
導入事例
クレーム情報共有システムの構築
「操作性」、「検索性」、「分析性」、「メンテナンス性」を満たしたシステムを構築
ユーザの声を反映し、常に進化するシステムの構築に成功
問題点と課題
同社において、既にクレームを管理する為のDBがAccessにて存在しており、納期管理等の目的で利用されていた。
しかし、設計・開発・量産工程への情報のフィードバックを行うことについては不十分であり、蓄積データの活用についてが課題であった。
これらの課題を解決することは、製品をよりいっそう良くしていくために重要な意味を持つ。
新システムを構築する上で、データの検索性、操作のしやすさ、関連部門での再利用のしやすさ、過去のデータの統計と分析などの機能が必須である。
また、データ登録者の負担を減らすことも重要である。データ登録者=クレーム解析者であるため、多忙であり、手間なく情報を登録できるようにしなければならない。
これらを実現するために、どのような手法をとることが適切であるか、コストや、メンテナンス性も含めて検討する為、同社 本多氏は以下の4パターンを考え採用の検討を行った。
Access + 検索エンジンソフト |
Notes + 検索エンジンソフト |
XMLデータベースソフト | XCute(採用) | |
---|---|---|---|---|
開発 工期 |
○ Accessのみ (社内工数) |
△ NotesDB作成 (社内工数) |
× 社外開発委託 |
社外開発委託 △ 開発ツールの技術取得 (社内工数) |
入力性 | △ | △ | ○ | △ |
操作性 | △ Access必要 |
○ Notes利用 |
○ ブラウザ |
◎ ブラウザ利用 |
検索性 | △ 検索エンジンに依存 |
△ Notes検索可能 |
◎ XML検索 |
◎ アプリケーション検索 |
分析性 | △ テキスト情報のみ |
△ テキスト情報のみ |
○ 開発必要 |
◎ グラフ・表が表示可能 |
拡張性 | △ Accessに依存 (2GB) |
○ 社内NotesDB 環境利用可能 |
◎ XMLデータベース |
○ 多種データベース サポート |
費用 | ○ 既存システムプラスα |
△ Notes・ハードウェア必要 |
× 社外に開発委託 |
△ 開発ツール・ハードウェア必要 |
ブラウザひとつでシステムを利用出来る点(操作性)や、グラフの作成や集計などの分析レポートの作成しやすさ(分析性)、多彩な検索が作り込めること(検索性)がポイントとなった。
XMLデータベースソフトを使った場合、分析レポートや、多彩な検索を実装することは可能であるが、SIerに作成を全て任せる形となる為、全ての仕様をキッチリと決めてから発注となるし、業務の変化、利用者の要望を吸い上げてシステムに反映することは難しい。それらの部分の融通が利くのもXCuteの魅力であると本多氏は語る。
本多 氏
このシステムが構築できたのは、現場の解析担当者が積極的に参加した事が大きいです。
参加して頂くために、現場から出た意見やアイデアは、すぐ形にして反映させました。
実際に目に見える形になるとアイデアがさらに出てきます。まずはやってみてダメなら直す、試行錯誤を繰り返し改善しました。
Xcuteは、Excelベースの開発のため画面イメージがしやすく、すぐに動作確認ができます。Excelの機能をフルに活用しグラフや帳票出力にも容易に対応できるため、「アイデアをすぐ形にしてみる事」が容易です。
WEB化により単に情報共有化を図っただけでなく、リアルタイムによる分析・集 計・検索と「クレーム情報の見える化」を実現することが出来ました。
解決方法と構築システム
こうして開発に取りかかった本多氏であるが、まずは動作させてみることを第一目標とし開発を進め、わずか1ヶ月程度でユーザに利用させることができるレベルのシステムが完成しました。
XCuteの開発効率の高さ以外にも、既存のAccessのシステムのデータ、クエリ等、ほとんど全て再利用できたことも、スピード構築の理由の一つであります。
本システムは、ユーザからの意見を元に、日々進化している。SIerに構築させたシステムならば、このような柔軟な対応は難しい。XCuteならではの部分ではないでしょうか。
「プログラムを必要とせず、見た目そのままのExcelでの構築なので、私が担当から外れた後のメンテナンスも問題ないと考えております。」と本多氏は語ります。
本多氏はどのようなシステムを作り上げたか、以下に紹介します。
仕掛案件の一覧画面
納期日までの状況や、案件の重要度も一目でわかるように工夫が凝らされています。
登録された案件は、この画面より担当者を割り振ることが可能です。
選択された担当者に、その旨を自動的にメールするようになっています。
新規登録画面
クレーム詳細表示画面
解析結果登録画面
検索条件指定画面
一覧画面
システム化の成果とこれから
当初の目的であった、蓄積データの活用であるが、以下の点において達成することが出来た。
- WEBシステム特有のメリットである、ブラウザのみで専用アプリが不要で簡単に情報共有が可能である。
- ExcelをつかったXCuteならではのメリットである、グラフや集計など、BIに欠かせない要素の実現。
- ログイン認証によるユーザ権限の設定が可能である。
- クレーム進捗の管理がリアルタイムに可能である。
- 強力な検索機能により、過去の情報が的確に検索可能である。
また、本システムは2年ほど稼働しているが、その間、XCuteにトラブルはなかったという。 この安定度も多数の実績を持つXCuteによるシステム化のメリットであろう。
BIに欠かせないグラフや集計の画面も頂いているので、ここに紹介したいと思う。ただし、機密と直結する内容を含むため、画面に関する解説は控えさせて頂く。
このシステムによるDBができ、我々解析担当者からはCS向上のアイディアと称 して数十件の難題を出しましたが、全て実現できたので驚きました。
現在は過去不具合事例や出荷情報への同一画面からのアクセス、納期管理、各種 書式のExcel形式での自動発行もできますので我々解析担当者の利便性向上はもとよりお 客様への報告納期短縮につながりました。
中島 氏
雨田 氏
当初の導入目的(関連部門の情報共有化による品質向上)とは異なりますが、迅 速にクレーム情報が活用できるという点で導入の貢献度は高いことは勿論のこと、この自 由度の高いシステム導入により、解析担当者間での情報共有化によるフォロー体制が確立 され、クレーム処理工期の大幅な短縮が図れました。
また、お客様の個別納期にも対応可能となり、CS向上に大きく貢献できたと考えています。
既存データを生かしつつ、効率よく新システムを構築することは、システム構成の検討が重要と考えられる。
同社においては、何パターンかのシステム構成を考え、そのメリット、デメリットの確認をしっかりと行った事、また本多氏の経験、知識による適切な判断がシステム成功の鍵と考えられ
本システムはリリース後、100を超えるマイナーバージョンアップが繰り返され、より使いやすいシステムへと日々進化している。
これは、より使いやすいシステムを追求する本多氏の取り組みと、積極的に改善案を提案するユーザとの相互の関係により成り立っているものと考えられる。
同社の事例は、Accessによるレガシーシステムを共有、公開しやすい形にリニューアルするメリットが明解な好例ではないだろうか。
導入企業様紹介
日清紡マイクロデバイス株式会社
日清紡マイクロデバイスは”つながる”をキーワードに、統合前会社のそれぞれの強みを活かしつつ、アナログソリューションプロバイダとしてあらゆる分野の発展に貢献していきます。
商号 | 日清紡マイクロデバイス株式会社 |
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創立 | 1959年(昭和34年)9月8日 |
会社所在地 | 〒103-8456 東京都中央区日本橋横山町3番10号 TEL: 03-5642-8222 FAX: 03-5642-8220 |
資本金 | 5,220,075,750円 |
従業員数 | 3,967名 |
主要営業品目 | ・電子デバイス製品
半導体集積回路、ディスクリート半導体、光半導体
・マイクロ波製品
衛星通信用コンポーネント、電波式センサ、レーダ用コンポーネント、直線加速器(ライナック)用コンポーネント
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