PrintArea_Widthスイッチ

 本スイッチは、スマートフォンなどのモバイル端末(iPhone, iPadなどのiOS端末やAndroid端末など)にてXCuteのHTML画面を利用する際、これらスマートフォンに最適化された画面を表示する際に利用します。
 スマートフォンは、<meta name="viewport">というmetaタグをサポートしており、スマートフォンにて利用しやすいHTML画面の表示が可能です。
 本タグをXCuteで利用する際は、印刷範囲の横幅を計算し適用する必要がありますが、PrintArea_Widthスイッチにより印刷範囲の横幅を取得しmetaタグに指定することができます。 これにより手軽にスマートフォン対応のHTML画面とすることができます。
 また本スイッチの解説と合わせて、スマートフォン向け画面の作り方を解説します。


●iPadでの<meta name="viewport">非適応表示の例

・表がスマートフォン解像度以下の例
 

 これらの画面には、問題が2点あります。
 まず、罫線が出ないこと。 もう1点は、iPadの画面のサイズを生かした大きさで表示されていないことです。(余白が多く無駄)

・表がスマートフォン画面解像度以上の例
<- 9月までしか表示できていない

 こちらの画面にも問題が2点あります。
 先の画面と同じく罫線が出ないこと。 もう1点は、iPadの画面のサイズを超えている為、横にスクロールしないとデータを全て見ることができません。 またこの状態からズームアウトもできません。(この例の場合、表が多少小さくなっても、全ての列が見えた方が良いと思われます。)


●iPadでの<meta name="viewport">適応表示の例

・表がスマートフォン解像度以下の例
 

 スマートフォンの画面に合った描画がなされました。 無駄な余白もなく見やすくなります

・表がスマートフォン画面解像度以上の例
<- 全ての列が表示された

 こちらの画面もスマートフォンの画面に合った描画となりました。縮小されて見にくい部分は、ズームインすることができます。


●ひな型シートの改造(その1、画面解像度に合わせる)

書式
PrintArea_Width=RxCy(印刷範囲の横幅をセットするセル位置)

適用位置
ひな型シート R1C2セル

(1)本スイッチを利用して、ひな型シートを改造していきます。 まず、ひな型シートのR1C2セルに、以下を記述します。
PrintArea_Width=R4C10

(2)以下のINCコマンドR2C8セルに記述します。
="INC=a,head>,<meta name='viewport' content='width="&R4C10+20&"pt,user-scalable=yes'>"
 +20の部分は、スマートフォンでの表示を見ながら増減してください。画面左右余白のバランスを見ながら調整すると良いでしょう。
 user-scalable=yesの部分は、ユーザによる画面の拡大縮小を許可している部分です。 画面によっては拡大縮小が出来ることにより、ユーザが戸惑うことがあるかもしれません。 拡大縮小を不許可とする場合は、user-scalable=noに変更します。

参照
 ○
ひな型シート1行目

●ひな型シートの改造(その2、罫線を表示する)

 ひな型にて指定している罫線が一番細いものの場合、罫線が表示されません。 これはWebKit系ブラウザ全般に発生する問題で、iPhone, Androidに限った話ではありません。 PC用のブラウザ、 Chrome, Safariなどでも発生します。 これを回避するためには、太い罫線を使います。



●スマートフォン対応におけるPCブラウザへの影響
 本対応を行うことによりPC用ブラウザ(IE,FireFox等)に与える影響は罫線の太さ以外ありません。metaタグにおけるviewport指定は無視されるためです。
 むしろ罫線を太くすることにより、WebKit系のPC用ブラウザ(Chrome, safari)にて罫線が表示されるようになります。
 IE以外のブラウザにて利用する画面は、先に示した通り、一段階太い罫線を使うようにすると良いでしょう。


●スマートフォン対応の制限
 XCuteのスマートフォンに対する制限は以下の通りです。

(1)iPhone, iPad等のiOSデバイス
 写真のアップロード機能は使えます。
 ファイルのダウンロード機能は使えません。ただし、ファイルの保存を伴わない形式の場合、ダウンロード閲覧が可能です。(JPGなどの画像ファイルや、PDF, XLSなどのファイル)
 エクセルシートからのデータエントリーはできません。 閲覧のみとなります。

(2)Androidデバイス
 ファイルのダウンロードは可能ですが、XLSファイルなどを閲覧、修正する場合、別途オフィス互換ソフトが必要な場合があります。
 エクセルシートからのデータエントリーはできませんが、エクセルシートをアップロードしてのデータエントリーは可能です。

利用可能バージョン
XCute Ver11.7.0以降

参照
 ○
proles.iniファイル