| 〜内部統制の始まり〜 |
2007年初頭、株式会社パスコにおいて内部統制準備が開始された。これは、2008年4月1日よりスタートする日本版SOX法まで、約15か月の期間で全ての環境を整えねばならない。
内部統制文書は「3点セット」とよばれる、「業務記述書」「RCM」「業務フロー図」があり、それらを整合性をもって管理する必要がある。その「3点セット」の確立に約11ヵ月の期間を費やした。
その3点セットの整備評価を行う方法やシステムを残りの4か月程度の期間で、決定し構築する必要があった。
ExcelやWordなどでそれを作成し管理するとなると、数千をこえるファイルセットを管理し、整合性を保たねばならず、運用やメンテナンスは容易ではない。 ファイルも年度毎に増える為、管理が年々重くなってくることも容易に予測できた。
同社竹内氏においては、これら内部統制分文書を合理的に整合性を保ち管理するには内部統制評価ツールを導入し管理することが最適であると考えていた。
内部統制評価ツールは1000万円超えの物が多く、カスタマイズなど行って利用することを考えると、コスト面、メンテナンス面で導入が難しいと考えられた。
また、残り4ヵ月程度の状況で、市販ツールに合わせた形に「3点セット」のフォーマットなどを変更することは考えられない。 この段階で確定している部分を変更するのは無理であろう。 市販ツールの利用は大小こそあれ、そのツールに業務を合わせなければならない可能性があることを過去の経験から竹内氏は知っていたからだ。
それでは開発したらどうだろう? SIerにJavaなどで開発を依頼するとしても残り4ヵ月の状況で、要求する仕様を作成し取りまとめ、レビューなどの繰り返しとなることを考えるとコスト面、期間面において現実的ではない。 パッケージを買うよりも高額になるであろうことは容易に想像できた。
竹内氏は、ExcelでWebアプリを開発できるXCuteならば、メンテナンスの問題や、開発工数の問題をクリアできると考え、これを採用した。 また、内部統制評価ツールなどの専門ツールとちがい、他の業務への利用も期待できることも大きなポイントであった。
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「
今回、内部統制の評価支援ツールとしてX・Cuteを導入致しましたが、
開発のしやすさ、メンテナンスのしやすさもあり、X・Cuteは今後も社内
での使用用途は拡大しそうです。又、開発者の養成もマイクロラボさん
にて講習会を適宜開催して頂いており、短時間で養成出来る事も強みだと思います。
」
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 竹内氏 |
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| 〜システムの構築〜 |
こうして2007年12月よりシステムの開発がスタートした。
まず、仕様(画面遷移)をすべてExcelで作る作業から始めた。Excelそのものが、帳票となりWeb画面となるXCuteの特性から、楽に開発を進めていくことができた。 1ヶ月程度で、ある程度動作するものを作成することができた。もちろん、本来の業務を行いながらの片手間での開発だ。
残りの3ヶ月間は、レビューを行って要望をシステムに反映したり、細かな調整を行ったりするなどして、システムの品質を高める為の期間として使うことができた。
これがSIerに頼んでJavaなどで開発を行っていたら、仕様、要望のやりとりだけで時間がかかってしまうが、自社内で開発することにより、これらの時間を短くする事が出来たことも大きなポイントだ。
最終的に50機能画面程度のシステムの構築が予定通りに完了した。
「Excelのシートが画面であり、仕様であり、コーディングであるため非常に見通しが良く、数か月、数年たった後のメンテナンスにも不安を感じません。」と竹内氏は語る。
竹内氏が作成したシステムのスクリーンショット以下に示す。
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「内部統制評価支援システム」
統制整備評価調書、統制運用評価調書などを、上から順番に入力していけばよいように、
整理された作りになっている。
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「年間計画作成画面」
本画面により、年間計画部分(項目番号5)の入力を行う。
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「実施計画作成画面」
本画面により、実施計画部分(項目番号6,7)の入力を行う。
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「テスト結果作成画面」
本画面により、テスト結果部分(項目番号8)の入力を行う。
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「評価結果作成画面」
「年間計画作成画面」 - 「実施計画作成画面」 - 「テスト結果作成画面」といったふうに、
メニューに従って順番に入力すれば良いように工夫されていることがわかる。
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「年間計画一覧画面」
計画状況をグラフィカルに把握することができる。
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「統制運用評価調書情報画面」
入力情報を閲覧、Excelにダウンロードすることができる。
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| 〜システム成功のポイント〜 |
内部統制評価支援システムをスピード構築し、日本版SOX法開始までに余裕をもって稼働させた同社であるが、成功のポイントはどこにあるのであろうか?
・日本版SOX法に詳しい担当者が直接開発を行うことで、自社にマッチしたシステムの構築をロスなく行えたこと。
・XCuteの特性を生かし、まず画面を用意し、開発していく手法をとった事により、仕様書を作成する時間を省いたこと。
・とりあえず稼働するシステムを短時間で構築し、残った時間でそのシステムをより完成度の高いものにしていったこと。
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